MMDの新フォーマット解析
MMDはV8かV9ぐらいからプロジェクトファイルであるpmmフォーマットが新しくなり、それまでは少しでもモデルを弄ってしまうと異常終了していたのが多少のことではビクともしなくなりました。
以前、私が公開していたPmmDumpは旧フォーマット用でしたので公開を停止していましたが、新フォーマットでも尚開けなくなるpmmファイルが出てきましたので新フォーマットに対応する事にしました。
解析中の情報をここに記録します。
1.ヘッダ
ヘッダ情報はそれほど旧フォーマットとそれほど変わっていませんが、Format IDが001から002にバージョンアップしていますので、ここで新旧を判断します。
2.モデル
モデルの格納数が記録されていますので、この数だけ2-1~11までを繰り返します。
2-1.モデルヘッダ
新フォーマットになって少々のモデルデータの変更でも異常終了しなくなった理由がここです。
旧フォーマットではこれらの情報はモデルデータを開いて取得していましたが、新フォーマットではpmmファイル内に格納するようになりました。
後のキーフレーム数などの算出に使用する情報なので、少なくともpmmファイル内では矛盾が起こらなくなり異常終了を招かなくなっています。
2-2.ボーン初期フレーム
たびたび登場するMMDのフレーム構造です。頻繁に挿入・削除が繰り返されるデータなので内部ではフレーム番号順には並んでおらず、BeforeIndexとAfterIndexでフレームデータがリンクされています。初期フレームだけ DataIndexを持ちません。
以下をボーンの数(BoneCount)だけ繰り返します。
2-3.ボーンキーフレーム
以下を、ボーンキーフレーム数(BoneKeyCount)だけ繰り返します。どのボーンの情報かはボーン初期フレームからAfterIndexを辿ることで分かるようになっています。
2-4.モーフ初期フレーム
ここもボーンのフレームデータ構造と同じですね。
以下をモーフの数(SkinCount)だけ繰り返します。
2-5.モーフキーフレーム
以下を、モーフキーフレーム数(SkinKeyCount)だけ繰り返します。
2-6.表示・IK・外親初期フレーム
新フォーマットの特徴でもある外部親の情報が追加されています。
外部親の情報は ModelIndex(Int32) と BoneIndex(Int32)のペアで表現され、これを外部親ターゲットとして登録可能な数分(OPCount)だけ繰り返します。ModelIndexが-1だとそのターゲットボーンには外部親は未登録となります。
構造としてなんだか弱いような気がしますね。
ただ、VMDフォーマットは外部親の情報がサポートされていないようなので、モーションを取り出す際には無視して良いかもしれません。私は別途、CSVの状態で取り出すことにします。
2-7.表示・IK・外親キーフレーム
以下をキーフレーム数(VisibleKeyCount)だけ繰り返します。
2-8.ボーンステータス
pmm保存時のボーン編集中の状態が記録されます。モーションデータには関係ないので、適当に読み飛ばせば良いと思います。
以下をボーン数(BoneCount)だけ繰り返します。
2-9.モーフステータス
ここもモーションには関係ないので適当にスキップします。
SkinCount分だけ以下を繰り返します。
2-10.IK・外親ステータス
ここもモーションには関係ないので適当にスキップします。Unknown部分は外部親のステータスなのは確実なのですが、今一つ想定した記録の仕方がされていないためUnknownとしています。
2-11.終端
何かを意味するバイト列だと思いますが、今のところ無視しても問題なさそうなのでスキップします。pmmが壊れた場合、このバイト列を目印にしてモデルデータの境界を探すと良いかもしれません。
3.カメラ
ボーン追従の情報が追加されています。あれ?ボーン追従って旧フォーマットの頃からありませんでしたっけ?
3-1.カメラ初期フレーム
3-2.カメラキーフレーム
以下を、キーフレーム(CameraKeyCount)の分だけ繰り返します。
3-3.カメラステータス
編集時の情報ですので、モーションには影響しないためスキップします。
VString:先頭1Byteに文字列長が入る可変文字列(要するに最大256文字)。
CString:NULLで終了する文字列。
続いて、照明やアクセサリの情報が格納されていますがここは旧フォーマットと変わりは無いようですので割愛します。
一応上記の解析情報をPmmDumpに反映させてHDD内の幾つかのpmmファイルを処理にかけてみましたが問題は無いようです。外部親やアクセサリの情報がVMDに反映されないのを別のファイルに書きだしていますが、これをMMDに簡単にロードできる仕組みも含めて考えて、まとまったらPmmDumpを再公開しようと思います。
以前、私が公開していたPmmDumpは旧フォーマット用でしたので公開を停止していましたが、新フォーマットでも尚開けなくなるpmmファイルが出てきましたので新フォーマットに対応する事にしました。
解析中の情報をここに記録します。
1.ヘッダ
ヘッダ情報はそれほど旧フォーマットとそれほど変わっていませんが、Format IDが001から002にバージョンアップしていますので、ここで新旧を判断します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Format ID | C String | 30 | Polygon Movie maker 0002\0 |
View Width | Int32 | 4 | 出力画面サイズの幅 |
View Height | Int32 | 4 | 出力画面サイズの高さ |
Frame Width | Int32 | 4 | フレーム操作ウィンドウの幅 |
View Angle | Float | 4 | 視野角(編集中) |
Unknown | Byte[7] | 7 | 恐らくフラグ |
2.モデル
モデルの格納数が記録されていますので、この数だけ2-1~11までを繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
ModelCount | Byte | 1 | 格納モデル数(255までしか格納できない?) |
2-1.モデルヘッダ
新フォーマットになって少々のモデルデータの変更でも異常終了しなくなった理由がここです。
旧フォーマットではこれらの情報はモデルデータを開いて取得していましたが、新フォーマットではpmmファイル内に格納するようになりました。
後のキーフレーム数などの算出に使用する情報なので、少なくともpmmファイル内では矛盾が起こらなくなり異常終了を招かなくなっています。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
ModelNo | byte | 1 | モデル番号(0から連番) |
ModelName | VString | (Variable) | モデル名JP |
ModelNameE | VString | (Variable) | モデル名EN |
ModelPath | C String | 256 | モデルパス(Windows標準最大パスは260なので不味い?) |
Unknown | Byte | 1 | |
BoneCount | Int32 | 4 | モデルのボーン数 |
BoneNames | VString[BoneCount] | (Variable)*BoneCount | ボーン名JPがBoneCount分繰り返す |
SkinCount | Int32 | 4 | モデルのモーフ数 |
SkinNames | VString[SkinCount] | (Variable)*SkinCount | モーフ名JPがSkinCount分繰り返す |
IKCount | Int32 | 4 | モデルのIK数 |
IKIndex | Int32[IKCount] | 4*IKCount | IKのボーン番号がIKCount繰り返す |
OPCount | Int32 | 4 | モデルの外部親ターゲットに設定可能なボーン数 |
OPIndex | Int32[OPCount] | 4*OPCount | 外部親ターゲットのボーン番号がOPCount分繰り返す |
Unknown | Byte | 1 | モデル描画順? |
Display | Bool | 1 | 表示(編集中) |
SelectedBone | Int32 | 4 | 選択ボーン(編集中) |
SkinPanel | Int32[4] | 16 | 表情パネル:眉、目、リップ、他の選択モーフ |
FrameCount | Byte | 1 | 表示枠の数(表示、表情含む) |
FrameOpen | Bool[FrameCount] | 1*FrameCount | 表示枠の展開状況 |
Unknown | Int32 | 4 | なにかのフレーム番号? |
LastFrame | Int32 | 4 | 最終フレーム番号 |
2-2.ボーン初期フレーム
たびたび登場するMMDのフレーム構造です。頻繁に挿入・削除が繰り返されるデータなので内部ではフレーム番号順には並んでおらず、BeforeIndexとAfterIndexでフレームデータがリンクされています。初期フレームだけ DataIndexを持ちません。
以下をボーンの数(BoneCount)だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Frame | Int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
IPL_X | Float[4] | 16 | 補完曲線X軸 |
IPL_Y | Float[4] | 16 | 補完曲線Y軸 |
IPL_Z | Float[4] | 16 | 補完曲線Z軸 |
IPL_R | Float[4] | 16 | 補完曲線R軸 |
Translation | float[3] | 12 | 移動(X,Y、Z) |
Rotation | Float[4] | 16 | 回転(X,Y,Z,R)クォータニオン |
Unknown | Byte | 1 | ただのパディング? |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1:選択) |
2-3.ボーンキーフレーム
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
BoneKeyCount | Int32 | 4 | キーフレームの数(0フレーム除く) |
以下を、ボーンキーフレーム数(BoneKeyCount)だけ繰り返します。どのボーンの情報かはボーン初期フレームからAfterIndexを辿ることで分かるようになっています。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
DataIndex | Int32 | 4 | |
Frame | int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
IPL_X | Float[4] | 16 | 補完曲線X軸 |
IPL_Y | Float[4] | 16 | 補完曲線Y軸 |
IPL_Z | Float[4] | 16 | 補完曲線Z軸 |
IPL_R | Float[4] | 16 | 補完曲線R軸 |
Translation | float[3] | 12 | 移動(X,Y、Z) |
Rotation | Float[4] | 16 | 回転(X,Y,Z,R)クォータニオン |
Unknown | Byte | 1 | ただのパディング? |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1:選択) |
2-4.モーフ初期フレーム
ここもボーンのフレームデータ構造と同じですね。
以下をモーフの数(SkinCount)だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Frame | int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
SkinValue | Float | 4 | モーフ値 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1:選択) |
2-5.モーフキーフレーム
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
SkinKeyCount | Int32 | 4 | キーフレームの数(0フレーム除く) |
以下を、モーフキーフレーム数(SkinKeyCount)だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
DataIndex | Int32 | 4 | |
Frame | int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
SkinValue | Float | 4 | モーフ値 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1:選択) |
2-6.表示・IK・外親初期フレーム
新フォーマットの特徴でもある外部親の情報が追加されています。
外部親の情報は ModelIndex(Int32) と BoneIndex(Int32)のペアで表現され、これを外部親ターゲットとして登録可能な数分(OPCount)だけ繰り返します。ModelIndexが-1だとそのターゲットボーンには外部親は未登録となります。
構造としてなんだか弱いような気がしますね。
ただ、VMDフォーマットは外部親の情報がサポートされていないようなので、モーションを取り出す際には無視して良いかもしれません。私は別途、CSVの状態で取り出すことにします。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Frame | Int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
Display | Bool | 1 | 表示状態(0:非表示、1:表示) |
IK | Bool[IKCount] | 1*IKCount | IK有効状態。IKCountだけ繰り返す |
OPData | (Int32 + Int32)[OPCount] | (4+4)*OPCount | 外部親定義情報。OPCountだけ繰り返す。 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1選択) |
2-7.表示・IK・外親キーフレーム
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
VisibleKeyCount | Int32 | キーフレームの数(0フレーム除く) |
以下をキーフレーム数(VisibleKeyCount)だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
DataIndex | Int32 | 4 | |
Frame | int32 | 4 | |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
Display | Bool | 1 | 表示状態(0:非表示、1:表示) |
IK | Bool[IKCount] | 1*IKCount | IK有効状態。IKCountだけ繰り返す |
OPData | (Int32 + Int32)[OPCount] | (4+4)*OPCount | 外部親定義情報。OPCountだけ繰り返す。 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1選択) |
2-8.ボーンステータス
pmm保存時のボーン編集中の状態が記録されます。モーションデータには関係ないので、適当に読み飛ばせば良いと思います。
以下をボーン数(BoneCount)だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Translation | Float[3] | 12 | 移動(X,Y、Z) |
Rotation | Float[4] | 16 | 回転(X,Y,Z,R)クォータニオン |
Moved | Bool | 1 | 未確定状態(0:確定、1:未確定) |
Pysic(?) | Bool | 1 | なんだろ?物理演算のON/OFF状態と関係あるようです。 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1選択) |
2-9.モーフステータス
ここもモーションには関係ないので適当にスキップします。
SkinCount分だけ以下を繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
SkinValue | Float | 4 | モーフ値 |
2-10.IK・外親ステータス
ここもモーションには関係ないので適当にスキップします。Unknown部分は外部親のステータスなのは確実なのですが、今一つ想定した記録の仕方がされていないためUnknownとしています。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
IK | bool[IKCount] | 1*IKCount | IK有効状態。IKCountだけ繰り返す |
Unknown | (Int32+Int32+Int32+Int32)[OPCount] | (4+4+4+4)*OPCount | 外部親のステータス |
2-11.終端
何かを意味するバイト列だと思いますが、今のところ無視しても問題なさそうなのでスキップします。pmmが壊れた場合、このバイト列を目印にしてモデルデータの境界を探すと良いかもしれません。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Unknown | byte[7] | 7 | 00 00 00 80 3F 01 ?? ?? は 01 からボーンごとに連番となるようです。 |
3.カメラ
ボーン追従の情報が追加されています。あれ?ボーン追従って旧フォーマットの頃からありませんでしたっけ?
3-1.カメラ初期フレーム
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Frame | int32 | 4 | フレーム番号 |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
Distance | Float | 4 | カメラ距離 |
Position | Float[3] | 12 | カメラ中心位置(X,Y,Z) |
Angle | Float[3] | 12 | カメラ角度(X,Y,Z)ラジアン角 |
FollowModel | Int32 | 4 | ボーン追従モデルIndex(-1:非選択) |
FollowBone | Int32 | 4 | ボーン追従モデルのボーンIndex |
IPL_X | Float[4] | 16 | 補完曲線X軸 |
IPL_Y | Float[4] | 16 | 補完曲線Y軸 |
IPL_Z | Float[4] | 16 | 補完曲線Z軸 |
IPL_R | Float[4] | 16 | 補完曲線R軸 |
IPL_Distance | Float[4] | 16 | 補完曲線距離 |
IPL_Angle | Float[4] | 16 | 補完曲線視野角 |
IsOrth | Bool | 1 | パースOn/Off |
ParseAngle | Float | 4 | 視野角 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1選択) |
3-2.カメラキーフレーム
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
CameraKeyCount | Int32 | 4 | カメラキーフレーム数(0フレーム除く) |
以下を、キーフレーム(CameraKeyCount)の分だけ繰り返します。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
DataIndex | Int32 | 4 | |
Frame | int32 | 4 | |
BeforeIndex | Int32 | 4 | |
AfterIndex | Int32 | 4 | |
Distance | Float | 4 | カメラ距離 |
Position | Float[3] | 12 | カメラ中心位置(X,Y,Z) |
Angle | Float[3] | 12 | カメラ角度(X,Y,Z)ラジアン角 |
FollowModel | Int32 | 4 | ボーン追従モデルIndex(-1:非選択) |
FollowBone | Int32 | 4 | ボーン追従モデルのボーンIndex |
IPL_X | Float[4] | 16 | 補完曲線X軸 |
IPL_Y | Float[4] | 16 | 補完曲線Y軸 |
IPL_Z | Float[4] | 16 | 補完曲線Z軸 |
IPL_R | Float[4] | 16 | 補完曲線R軸 |
IPL_Distance | Float[4] | 16 | 補完曲線距離 |
IPL_Angle | Float[4] | 16 | 補完曲線視野角 |
IsOrth | Bool | 1 | パースOn/Off |
ParseAngle | Float | 4 | 視野角 |
Selected | Bool | 1 | 選択状態(0:非選択、1選択) |
3-3.カメラステータス
編集時の情報ですので、モーションには影響しないためスキップします。
Field | Type | Size | Description |
---|---|---|---|
Position | Float[3] | 12 | |
ViewPosition | Float[3] | 12 | |
Angle | Float[3] | 12 | |
IsParse | Bool | 1 |
VString:先頭1Byteに文字列長が入る可変文字列(要するに最大256文字)。
CString:NULLで終了する文字列。
続いて、照明やアクセサリの情報が格納されていますがここは旧フォーマットと変わりは無いようですので割愛します。
一応上記の解析情報をPmmDumpに反映させてHDD内の幾つかのpmmファイルを処理にかけてみましたが問題は無いようです。外部親やアクセサリの情報がVMDに反映されないのを別のファイルに書きだしていますが、これをMMDに簡単にロードできる仕組みも含めて考えて、まとまったらPmmDumpを再公開しようと思います。